マーケティングの仕事をしたいけど経験も知識も無いから資格を取りたい。何の資格が良いんだろう。
このような疑問にお答えします。
KOUSHO
こんにちは。外資系企業のマーケティング部門に所属している@KOUSHOです。
これからマーケティングの仕事に就こうとしている方にとって、就職や転職に有利になる資格はないかという疑問があると思います。
いきなり腰を折るようですが、就職、転職目的で資格取得をするのであれば、コスパが悪いです。
ただ、実務に活かすことを目的に、知識を得るために資格を活用することは有益だと考えています。
当記事の内容はこちら
- マーケティングの資格取得はコスパが悪い?その理由とは?
- 資格を取得する前に考えるべき3つのこと
- 実務に役立つマーケティングのおすすめ資格
目次
マーケティングの資格取得はコスパが悪い?その理由とは?
就職、転職目的でマーケティングの資格を取得するのはコスパが悪いです。
理由はシンプルで、マーケティングの仕事に資格が要らないからです。求められるのは実務経験とスキルです。
例えば、分析の経験が必要な求人に、分析の実務経験が無く、統計検定の資格を取得しているだけでは、未経験者として門前払いされる可能性が高いです。
また、中途採用の求人票でも資格が要件に入っているものはほとんど見かけません。資格があればその分野の知識はあることのシグナルにはなりますが、採用においてははその程度の効果しかないことを理解しておきましょう。
マーケティング未経験者の学生や若手社会人の方は、資格に期待せずにマーケティングの勉強をしながら、実務経験を積めるところを探しましょう。
未経験OKの求人を探したり、現職で異動を狙うなど、実務経験を得るための努力を最優先してください。学生であれば資格ホルダーよりも、インターンシップ(長期のもの)での経験の方が就職にはプラスに働くと思います。
マーケティングの仕事に就くための方法は別の機会に書きます。
資格を取得する前に立ち止まって考えるべき3つのこと
ここからは、資格を取得する前に立ち止まって考えるべきことをお伝えします。
資格取得には、それ相応の時間とコストがかかります。本当に資格を取るべきか立ち止まって考えてみることをおすすめします。
- 実務に活かす知識を得ることを目的にしているか?
- 上記の前提で勉強方法として資格取得が効率的か?
- 資格自体に実務上のメリットがあるか?
実務に活かすための知識を得ることを目的にしているか?
マーケティングにおいて資格はおまけみたいなものです。
実務に活かすという明確な目的がない限り資格勉強をする意味はあまりないです。
資格取得を目的にするのでなく、あなたの今後のキャリアにおいて、必要となる知識かどうか慎重に考えましょう。
知識を得るために資格取得が効率的か?
学習したい分野が決まったとして、資格で勉強することが効率的であるか考えましょう。
そもそも勉強方法が分からない場合、資格学習者向けに体系化されたテキストや通信講座もありますので、効率的に学者できると思います。
また、資格取得という目的を作らないと勉強のモチベーションが保てない方も強制的に勉強する環境を作る意味で活用しても良いと思います。
資格取得に実務上のメリットがあるか?
資格取得に実務的なメリットがある場合も資格取得を検討するに値します。
目標としている職種の人が持っていて当たり前であったり、持っていると優遇されるなどメリットがある場合です。
例えば、経理や会計の仕事に簿記や会計士の資格は必須ではなくても、持っていないと就職においてマイナスになる可能性があります。
実務に役立つマーケティングのおすすめ資格を厳選
マーケティング領域のおすすめ資格をまとめてみました。
身につけたい専門知識を学習するためのツールとして活用してください。
- マーケティングの基礎を理解する
- マーケター・コンサルタントに必要な知識を身につける
- 統計学、データサイエンスの基礎を身につける
- Webマーケティングの基礎を身につける
マーケティングの基礎を理解する【マーケティング検定】
マーケティングを学んだことが無い方は、まずはマーケティングの全体像を理解することから始めましょう。
日本マーケティング協会が主催しており、内閣府認定のマーケティング能力を測定する検定です。
3級~1級まで用意されており、基礎から初めてレベルアップが可能です。
※2級は2019年、1級は2020年開始予定。
3級 初級者レベル
これからマーケティングに触れる方を中心に、様々な場面においてマーケティングに関わる方を対象として、マーケティングの基本の習熟度を測定します。
2級 中級者レベル
社会で活躍するマーケターとして認定できる実力を基準として、マーケティングの基礎概念から応用までの理解度・習熟度を測定します。
1級 上級者レベル
他企業からスカウトされるほどの実力があるマーケティング・リーダーを基準として、マーケティングの応用に対する実力を測定します。
試験の主な概要は以下の通りです。
受験期間:年中受験可能(全国各地のテストセンター)
テスト形式:CBT(Computer Based Testing)60分 30問(7割以上で合格)
3級試験の受験料:6,480 円(税込)
参考サイト:JMA 日本マーケティング協会
マーケターに必要な知識を身につける【中小企業診断士】
以下のような方におすすめの資格が中小企業診断士です。
- マーケターになりたい
- コンサルタントになりたい
- スキルの幅を広げていきたい
中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格です。中小企業の経営課題を解決するための診断、助言を行います。
一流のマーケターやコンサルタントを目指すのであればマーケティングの知識だけでは不十分で、企業経営、会計、ファイナンス、法律、ITシステム等幅広い知識が必要です。
企業経営に関する知識全般を学ぶため、マーケティングとその周辺領域が分かる視野の広いマーケターになれるでしょう。
また、個人としてキャリアの幅を広げていく際にも役立ちます。
例えば、大手企業でWEBマーケティングのスペシャリストの方が、中小企業診断士の資格を取ることで、中小企業のマーケティング戦略策定〜Webマーケティングの施策など業務範囲を広げることが可能になります。
また、副業やフリーランスでの仕事を増やしていきたい方にもメリットがあります。
- 中小企業診断士のコミュニティや商工会議所から仕事を紹介してもらえる
- 中小企業はマーケティングが手薄な会社が多い。
- マーケティングの専門性を持つ中小企業診断士が少ないため重宝される。
資格の概要は以下です。
受験期間:1次:8月上旬 2次:12月中旬
テスト形式:1次:筆記試験(選択式)、2次:口述試験
受験料:1次:13,000 円、2次:17,200円
参考サイト:J-SMECA 中小企業診断協会
統計学・データサイエンスの基礎を身につける 【統計検定】
以下のような方におすすめなのが統計検定です。
- 自信を持って数字を扱いたい
- マーケティングの効果を科学的に検証したい
マーケティングに関わる場合、数字での検証は避けて通れません。ビッグデータ時代に統計が理解できない昔ながらのマーケターはどんどん取り残されていきます。
マーケティングの現場に身を置く私の印象では、統計の基礎を理解しているマーケターは現状少なく、身につければ差別化になります。
統計学やデータサイエンスは、自分で勉強する場合、学習の全体像や到達目標を定めるのが難しいため、統計検定のレベルを参考に学習してみると良いと思います。
統計検定のレベルは4級〜1級まであります。
3級までは全ての社会人が身につけておくべき基礎レベルで、分析の専門職でない場合は、2級レベルの知識で十分な水準だと思います。準1級レベルになると分析の専門職レベルで十分強みになるレベルだと思います。
4級・・・中高生レベル
3級・・・高校数学I (データ分析)レベル。
2級・・・大学基礎 (1、2年次)レベル。
準1級・・大学応用 (1、2年次)レベル。
1級・・・大学専門課程(3・4年次)
資格概要は以下の通りです。
受験期間:年2回(6月頃、11月頃)
テスト形式:紙媒体/CBT方式(コンピューター)
受験料:4級:3,000円、3級:4,000円、2級:5,000円、準1級:8,000 円、1級:10,000円
参考サイト:一般財団法人 統計質保証推進協会
Webマーケティングの基礎を身につける
Webマーケティングにおいても資格自体に意味があるわけではありません。
ただし、これからWebマーケティングの仕事に就く予定の学生や社会人の方が全体像や基礎的なツールの使い方を短期間で理解できる資格がいくつかあります。
ネットマーケティング検定
インターネット・マーケティング全般の基本知識・方法論などを学ぶ資格です。
企業のWeb担当者に求められる「ファシリテート能力」「Webに関する知識や技術」「ネットマーケティングに関する知識」「経営戦略と連動したWebブランディング能力」を学ぶことができます。
個別のツールの使い方ではなく、Webマーケティングの全体像を理解することに重きを置いた資格です。
受験期間:年中受験可能
テスト形式:択一選択式(40問)
受験料:5,800円
参考サイト:ネットマーケティング検定
IMA検定
IMA(Internet Marketing Analyst)検定は、より実践的な検定になります。
自宅にいながら、手を動かしながらWebマーケティングの仕事内容を理解できると思います。
内容は、自らインターネット集客を行い、その結果をアクセス解析し、改善策をレポート作成する・実行するという実践的な講義内容になっています。
StandardコースとProfessionalコースがあり、基礎からレベルアップも可能です。
Standardコースの概要は以下です。
受験期間:年複数回
テスト形式:全て自宅で完結 Eラーニング受講(講義6回+課題添削1回)⇒認定試験(WEBテスト)
受験料:18,000円
参考サイト:IMA検定
Webアナリスト検定
Webマーケティングの中でもWebアナリストの養成を目指している点が特徴です。
会場で5時間の講義を受け、認定試験を受けるだけなので1日で完結します。
内容は、Google Analyticsというアクセス解析ツールの使い方がメインです。
アクセスログ解析のデータ分析の考え方を基軸に、集客/回遊/コンバージョン/リピートに分けて、分析のポイントを解説してくれます。
受験期間:年複数回
テスト形式:会場で講座受講(5時間)⇒認定試験(WEBテスト)
受験料:17,280円(会場により異なる)
参考サイト: JWA 一般社団法人日本Web協会
まとめ
マーケティングは実学で実務経験とスキルが重視されるため、就職目的での資格取得はコスパが悪い。
資格取得を検討する前に考えるべきこと
- 実務に活かす知識を得ることを目的にしているか?
- その前提で勉強方法として資格取得が効率的であるか?
- 資格自体に実務上のメリットがあるか?
マーケティングの領域別おすすめ資格
- マーケティングの基礎を理解する
⇒マーケティング検定 - マーケターに必要な知識を身につける
⇒中小企業診断士 - 統計学、データサイエンスの基礎を身につける
⇒統計検定 - Webマーケティングの基礎を身につける
⇒ネットマーケティング検定、IMA検定、Webアナリスト検定