マーケティングの仕事って華やかで憧れる。でも、実際のところどうなんだろう?
そんな疑問に答えます。
KOUSHO
こんにちは。マーケティング経験8年の@KOUSHOです。
私は、マーケティング支援会社2社→外資系事業会社のマーケティング部門という経歴で、新卒から8年間マーケティング業界におります。
マーケティングの仕事は外から見れば華やかなイメージを持たれることも多いですが、内情がどうなのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
また、自身の経験から、マーケティング支援会社と事業会社のマーケティングでその辛いポイントが異なります。
この記事では、私が新卒から6年間過ごしてきたマーケティング支援会社の辛いところ、やりがい、向いている人をお伝えすることで就職や転職を検討している方の参考になればと思います。
当記事の内容はこちら
- マーケティング支援会社の辛いところ
- マーケティング支援会社のやりがい
- マーケティング支援会社をおすすめできる人
目次
マーケティングの仕事の辛いところは?【支援会社篇】
マーケティング支援会社は事業会社のマーケティングを支援することを生業としている会社です。
以下のような会社を想定します。
- コンサルティング会社
- 広告代理店/広報代理店/ネット広告代理店
- 調査会社/データ分析専業会社
- ITベンダー/ITコンサルティング会社
マーケティング支援会社は、直接的に一般消費者を顧客とするわけではなく、事業会社のマーケティングを支援するBtoBビジネスになります。
私が6年間働いてきた中で感じた支援会社の辛いところは以下です。
- クライアントの制約が大きい
- クライアントの意思決定に関わりにくい
- ハードワークになりがち
クライアントの制約が大きい
クライアントのマーケティングを支援する存在であるため、基本的にクライアントの要望ベースで仕事が進められます。
そのため、自分がこうすべきと思っていても、出来ないもどかしさがあります。
また、クライアントの要望に忙殺され肉体的にも精神的にも疲弊してしまう方は一定数います。決定権はクライアントにあるので、言葉が悪いですが、クライアントがアホな場合は大変です。
ただ、クライアントにとってベストな提案をして、採用され、ビジネスの成果に繋がることもあります。その結果、信頼を得られ指名で依頼が来るようになれば、やりがいも非常にあります。
私も自分のクライアントと胸を張って言えるようになってからは、辛いことよりもやりがいを感じていました。
意思決定の経験は積めない
クライアントのマーケティングを支援する存在故に、最終的に決めるのはクライアントです。
そのため、支援会社は提案をするだけで、その提案を受けて実際にやるかどうかまでは業務範囲外であることが多いです。
例えば、コンサルティング会社の場合、クライアントの課題に対して、調査、分析をして、今後の戦略を提案するところまでが業務範囲です。
その後実行されるかは分からないこともありますし、広告代理店においても、徹夜で詰めた広告のアイデアが最終的に使われるかはクライアントの決定次第です。
つまり、成果に責任を負って意思決定をする経験は詰めないということです。
マーケターや経営者になりたい方はこの意思決定をした経験が重要になりますので、その点は支援会社のデメリットになります。
ハードワークになりがち
クライアントワーク故に、納期があり、答えもない世界なので長時間労働になりがちです。
某代理店の過労死問題で最近は随分改善しているようですが、事業会社よりはハードワークなのは構造的に変わらないでしょう。
私も新卒で入った中小の支援会社では月100時間残業は当たり前な環境でした。案件に対して圧倒的に人が足りていない状況で、終わっても終わっても仕事がアサインされるわんこそば状態でした。
止めるにはギブアップするしかなかったですが、負けたくないと変なプライドが邪魔して立ち続けた結果、3年間で3000時間残業していました。(もはや残業ではないですが)
私の経験上、長時間労働になる原因としてよくあるのは以下です。
- クライアントの担当者の仕切りが悪い (依頼内容が曖昧でミスマッチ)
- 納期がある中でも質が求められる (時間の許す限り頑張る)
- 納品物にミスがあった場合(短期間でリカバリ)
マーケティング支援会社のやりがいは?
ここまで読んで頂いて、マーケティング支援会社で働きたくないって思われるかもしれませんが、やりがいもたくさんあります。
私は支援会社で計6年経験し、今事業会社いますので相対的に見ることができますが、支援会社のやりがいやメリットは以下にあると思います。
- 短期間で専門スキルを身につけられる
- 様々な業界、商材の知見が得られる
- 自分の成果が目に見えやすい
短期間で専門スキルを身につけられる
私が感じる1番のメリットは、短期間で専門スキルを身につけることができる点です。
以下のように嫌でも専門スキルが身につく環境だからです。
- 専門分野に特化した仕事をする
- クライアントから高い費用をもらうため、成果をシビアに求められる (質)
- 同時並行で複数のクライアントを担当する (量)
事業会社の場合は、そもそも専門分野を決められないことも多いです。
総合職採用の場合は、マーケティングに配属されるかも分かりませんし、自分が希望する職種に配属されるかも未知数です。
また、自社の商品に関しての経験しか積めないので、経験の量においては支援会社の方に分があります。
一方、支援会社においては、自分で専門分野を決めることができます。
私の場合は、元々調査や分析が好きだったこともあり、分析からマーケティングのキャリアを作ろうと考え、マーケティングリサーチ、データ分析の支援会社に入社しました。
リサーチャー(調査の企画、実施、分析、報告)という職種で、年間50案件以上を担当していましたので、狙い通りリサーチ、分析スキルを身につけ、新卒の時から希望していた外資系の事業会社に転職できました。
事業会社でも支援会社時代の豊富なリサーチ、分析の経験が私の強みになっています。
様々な業界、商材の知見を得られる
支援会社は、担当クライアントにもよりますが、様々な業界、商材を担当することができます。
これは非常に大きなメリットで、
- 業界横断で比較ができるため知見が貯まりやすい
- 様々な業界、部門、担当ポジションの人と仕事をするため、今後のキャリアを描きやすい
- 知的好奇心が満たされやすい
等が挙げられます。
ちなみに、私が6年間で関わった業界は以下の通りめちゃくちゃ幅広いです。
- 家電
- 食品
- 通信
- 外食
- アパレル
- 鉄道
私は事業会社に転職して気づきましたが、事業会社では、自社の商品カテゴリや自社内での仕事がメインになるので、マンネリ化したり、視野が狭くなりがちです。
一方、事業会社には自社の商品愛が異様に強い方もいますし、1つのカテゴリや商品に腰を据えて関わりたい方は事業会社の方が楽しいかもしれません。
また、事業会社に転職する場合も、支援会社で複数業界を俯瞰してみてきた経験は役立ちます。私も何か課題にぶつかった時に、他業界での知見や経験を社内に還元できることが多々あります。
自分の成果が目に見えやすい
支援会社は、自分の成果が目に見えやすいところがやりがいになります。
具体的には以下です。
- 自分の提供したサービスの対価が売上として目に見える。
- リピーターを増やし、自分のクライアントを作れる。
私はリサーチ会社でしたので、調査プロジェクトとして費用を頂くのですが、ほとんど1人で案件を回していたので、売上として自分がどれくらい貢献しているのか目に見えて分かりやすかったです。
また、サービスを提供した結果、リピーターが増え指名のクライアントが増えることで、モチベーションに繋がっていました。
一方、事業会社は、1つの商品を市場に出すのに社内の複数の部署が関わります。メーカーであれば、調達、研究開発、マーケティング(商品開発、広告宣伝)調査部、営業・・・etc
そのため、商品の売上に対して、自分自身の仕事がどれだけの収益を生み出しているのか直接的に見えにくいと感じています。
まとめ:マーケティング支援会社をおすすめできる人
最後に、マーケティング支援会社をおすすめできる人について説明したいと思います。
- 専門スキルを短期間で身につけたい人
- 仕事>ワークライフバランスな人
- いろんな業界に関わりたい人
専門スキルを短期間で身につけたい人
ゼネラリスト志向よりもスペシャリスト志向の方におすすめです。
特に、これからマーケティングのキャリアに進もうと考えている学生、第二新卒などの若手にとって、早めに専門スキルを身につけることは今後のキャリアに有利に働きます。
支援会社で専門スキルを身につけた20代後半〜30代前半のタイミングで、支援会社のキャリアを継続することも、事業会社に転職することも比較的容易ですので、選択肢を広げることができます。
仕事>ワークライフバランスな人
クライアントワークである以上、労働時間は長くなりがちなので、ワークライフバランスを最優先する方は避けた方が良いかもしれません。
とは言え、最近は労働環境も改善していますので、多少忙しくても今は経験とスキルを身につけたいという方には良い選択肢だと思います。
私は以下の社歴ですが、1社目は独身で仕事優先でしたが、結婚と同時に大手で基盤も安定しており残業時間も少ない2社目に転職、その後3社目に転職し残業時間はゼロになり、毎晩子どもを寝かしつけできるほど早く帰っています。
1社目:中小支援会社 (残業月100h以上)
2社目:大手支援会社 (残業月30h以下)
3社目:外資系事業会社 (残業月0h)
いろんな業界に関わりたい人
1つの会社に腰を据えて働くより、いろんな業界や企業で経験を積みたい方に向いています。
また、支援会社は事業会社よりも人材の入れ替わりも多いため、転職も視野に入れている人も働きやすいと思います。
反対に、1つの会社や事業にこだわりがあったり、長期的に落ち着いて働きたい方は事業会社向きといえるかもしれません。
以上です。
特に、若手の方はマーケティング支援会社でキャリアを作ることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。