数字を扱うのがホントに苦手だ。
昔から数学が苦手でできるだけ避けてきたけど仕事では避けられないし。何とかごまかせる方法ないかなぁ。。
こんな疑問にお答えします。
KOUSHO
こんにちは。現在外資系企業でアナリストをしている@KOUSHOです。
売上向上を目的に、ビジネスデータを分析して戦略を作ったりしています。同僚は旧帝大理系院卒がマジョリティな環境で仕事をしています。
この情報だけを聞いた方は、理系で数学が得意だったんだろうという印象を持つかもしれませんが、私は文系人間でむしろ数学は苦手でした。
この記事では、数学が苦手でも、数字に強く見せることができ、なおかつ実際に数字に強くなる方法を教えます。
文系出身の私でも、理系の院卒の同僚に囲まれても問題なくやれていますので、ある程度説得力はあるのではないかと思います。
普通のオフィスワーカーが仕事をする上で数字に強く見せるレベルになるには十分です。
目次
仕事で数字に苦手意識を持つ必要はない【数学は関係ない】
仕事で数字に苦手意識を持つ方は、中学や高校のどこかで数学に挫折したのではないでしょうか。
概ね数学嫌いは以下のスパイラルで嫌いになると思っています。
- 何の役に立つのか分からない
- 問題を解くだけで面白くない
- 数式を解いたり、計算するのが苦手
ただ、ビジネスの場合は、少し性質が異なるものです。
- 売上や収益向上という目的が明確
- 数字は現実の理解を助けてくれるツール
- 四則演算ができればOK (難しい数式を解く必要はない)
数学ができるに越したことは無いですし、アナリストという仕事柄超重要だと思っていますが、必要以上にアレルギーを持つ必要もないです。
数字を専門で扱うセクションで無ければ、論理的思考と四則演算ができれば十分やっていけます。
どうすれば数字に強く見せることができるのか?
数学アレルギーの人でも、数字に強く見せることは実は簡単にできます。
以下の順番を守ってコミュニケーションすることです。
- 事実を数字で伝える
- 解釈・意見を伝える
- 原因・要因の仮説を考える
- 仮説の検証方法を提案する
いきなりハードルが高いと思う方は、最低限①数字を伝える→②解釈・意見を伝えるだけは守ってください。
このルールが守れていないケースと守れている両極端なケースをご覧ください。
【参考】数字に弱く見えるケース
数字が苦手な人は感覚で話してしまいがちです。
以下のようなケースです。
上司
今月の☓☓の売上どうなの?
はい。好調です。特に関西が強いです。
KOUSHO
上司
ん?好調って?
あ、はい。えーっと全国で昨年対比・・・すみません。今数字出ません。。
KOUSHO
一見良くある会話ですが、こういう話し方をしていると数字に弱いと思われます。
【参考】数字に強く見えるケース
それではいかのように返答すればどうでしょうか。
以下のポイントを意識して会話を読んでみてください。
- 事実を数字で伝える
- 解釈・意見を伝える
- 原因・要因の仮説を考える
- 仮説の検証方法を提案する
上司
今月の☓☓の売上どうなの?
昨対比108%、予算対比102%と好調です。特に関西が昨対比120%、予算対比110%と好調を牽引しています。
KOUSHO
上司
何で関西が伸びてるんだろ?
仮説ですが、要因は2つあると考えています。
1つは、☓☓☓。2つは☓☓☓だと考えています。
KOUSHO
上司
なるほど。確かにありそうだね。それ検証できる?
○○のデータを使って、○○と○○を比較すれば検証できます。
KOUSHO
上司
じゃあよろしく。
どうでしょうか。頭良さそうに見えませんか?
決して難しいことはしていません。自分の担当の商品の主要な数字を覚えておいて、要因も自分なりに考える努力をしているだけです。
いきなりここまで出来なくても、事実として客観的な数字を伝え→解釈を伝えるだけで印象は大きく変わります。
この一連の会話をするのに、数式を解く必要もなければ、暗算をする必要もありません。
数字に強く見せるための勉強方法は?
数字に強く見せるために以下の勉強をしておけば完璧です。
- 担当ビジネスの主要な数字を覚える
- フェルミ推定を習得する
- 統計学を概念レベルで理解する
- リサーチや分析手法を理解する
① 担当ビジネスの主要な数字を覚える
あなたが担当しているビジネスの主要な数字は常にチェックして頭に入れておきましょう。
常に自分毎としてチェックしておくことで、質問された時に咄嗟に答えることができますし、失念しても情報源に迅速に辿り着くことができます。
② フェルミ推定を習得する
フェルミ推定を習得しておくと様々なビジネス数字の試算において威力を発揮します。
調査しないと分からないような数量をいくつかの手がかりを元に概算することです。
例えば、日本で1年間に送られる年賀状の枚数は?等、調査しないと分からないものを概算します。
ロジックと四則演算で概算の予測値を出すことができます。
私も業務では、大半がロジックと簡単な計算でビジネスの規模感を試算することが多いです。数学できなくても学べば強力な武器になりますので是非マスターしてください。
③ 統計学の基礎を理解する
数字に強く見せたい場合に必ず勉強して欲しいのが統計学です。
統計学の知識があれば、様々な数字のウソやデータの確からしさを判断することができます。
数字をメインに扱う仕事でなければ、基本を理解しておけば十分です。
目安としては、以下の用語は理解して、エクセル等で使いこなせるようにしておきましょう。
- 平均値
- 標準偏差
- 検定
- 相関係数
以下の書籍がおすすめです。いずれも数式無しで学べます。
④ リサーチ・分析手法を理解する
中上級者向けですが、基礎的なリサーチ手法、分析手法を理解しておけば理想です。
自らが考えた仮説を検証ができるようになり、結論まで導くことができるようになるからです。
特に分析手法を理解しておけば、自分で手を動かして仮説検証することもできますし、社内の分析担当やベンダーに依頼する際に役立ちます。
因果推論の方法論
因果推論は、ある事象に対する原因と結果の因果関係を推論する方法です。
ビジネスにおいて、因果関係の特定はとても重要です。
仮に、広告の出稿量と売上に正の関係がみられたとして、売上を増やすために広告を打ちましょう!という提案は正しいでしょうか。
単純に売上が高い日に広告の出稿量が多いだけかもしれません。そうであれば広告を出稿するコストを削れば利益が増えるので、打たない方が良いという提案になるはずです。
どうやって広告→売上の因果関係を特定するか、その方法論を理解する必要があります。
- ランダム化比較実験 (RCT)
- RDデザイン(回帰不連続デザイン)
- パネルデータ分析 など
詳細は以下の書籍がおすすめです。数式無しで理解できます。
マーケティングリサーチ
マーケティングリサーチの基本を理解しておけば、仮説を検証したい時に役立ちます。
概要については、調査会社大手のマクロミルの公式ホームページで概要を掴んでみてください。
基礎を学びたい方は以下の書籍を参考にしてください。
マーケティングリサーチの実務的な知識が網羅的にまとめられています。
各マーケティング課題に対する調査手法が解説されています。
まとめ:数字を武器にしよう
数学アレルギーがあっても数字に強く見せるコツ
- 事実を数字で伝える
- 解釈・意見を伝える
- 原因・要因の仮説を考える
- 仮説の検証方法を提案する
上記を実践するために以下を学んでおく
- 担当ビジネスの主要数字を覚えておく
- フェルミ推定を習得する
- 統計学を概念レベルで理解しておく
- リサーチや分析手法を理解しておく
おすすめ書籍は以下。
コメントを残す