大手企業は落ちたから、大手の子会社に行こうかな。
知名度もあるし安定しているだろう。
KOUSHO
こんにちは。外資系企業でマーケティングの仕事をしている@KOUSHOです。
過去に大手企業の子会社に入り苦労した経験があります。
大手企業に行けない場合の次善の策として大手企業の子会社を検討する方は多いのではないでしょうか。
確かに大手企業の資本で安定していて良さそうにみえますが、基本的には大手子会社は選ばない方が良いです。
新卒で大手子会社に入社した私の体験談を元にその理由を解説します。
この記事の内容は以下です。
- 大企業の子会社は避けるべき理由
- 避けるべき大企業子会社の特徴
- 内情を把握する情報収集
大企業の子会社は避けた方が良い理由
私が考える大企業の子会社を避けるべき理由を解説します。
経験上、大企業子会社には以下の傾向があるからです。
- 幹部は親会社から出向
- 親会社との明確な上下関係
- 親会社と異なる待遇・福利厚生
- 自己肯定感低下
幹部は親会社からの出向
大企業の子会社は、幹部が親会社からの出向者で占められているケースが多いです。
問題としては
- プロパー社員が幹部になれない
- プロパー社員の士気が低い
- 幹部社員のトップダウンにより仕事の自由度が無い
などが考えられます。
昇給や昇格が独立系の会社に比べ難しいため、キャリアとしてデメリットが大きいです。
ただし、市場で評価されるスキルが身につくのであれば話は別です。
親会社との上下関係
親会社から仕事を受ける場合は、明確な上下関係がある可能性が高いです。
ビジネスにおいては発注側の権限が強い上、子会社となれば、偉そうに指示してきたり、無理な要望を言ってくる可能性も高くなります。
残念ながら、大企業になると人数も多いので人間性を疑わざるを得ないようなパワハラ社員もいます。
運もありますが、商流や資本関係で下にある子会社は被害に合う確率も独立系の会社より高いです。
親会社と異なる待遇・福利厚生
親会社との待遇格差もあります。
親会社同等の待遇の子会社はごく稀で、良くても70-80%で、悪い場合は50%程度の待遇も全然あります。
私が勤務経験のある子会社は、正確な数字は不明ですが、感覚値では親会社の60-70%程度だったのではないかと思います。
また大手企業のメリットである福利厚生が期待できないのも子会社の残念なところです。
親会社の担当社員と仕事内容は大差無いのに、収入、福利厚生で大きな差がつくため、待遇の納得感は持ちづらいです。
自己肯定感が低下する
幹部になれない、親会社との上下関係、待遇格差等が積み重なるので、自己肯定感が低下しやすくなります。
子会社に勤務すれば分かるのですが、独特の負け犬な空気があります。
特に在籍期間が長いベテラン社員ほど、
- 自分の頭で考えない
- モチベーションが低い
- 親会社の言いなり
な傾向が強いです。
新卒や第二新卒の若手にとっては、この時期に自己肯定感を低下させると今後のキャリアに悪影響を与える可能性があるので、避けた方が良いと思います。
私は、身に付けたいスキルを明確にし、期限を区切っていたので乗り切りましたが、ゴールを決めずに長期間働いていると自己肯定感が低下し、負け犬になっていたと思います。
注意すべき子会社の特徴を解説
それでは、子会社は全て避けるべきか?
これは一概には言い切れません。
親会社にとって重要な仕事を担っていたり、親会社にない専門性を持つ子会社もあるからです。
少なくとも以下の条件が揃っている会社は個人的には危険だと思いますので避けた方が無難です。
- 売上の大半が親会社経由
- コストセンターである
- 専門職でない
売上の大半が親会社経由
子会社にとって売上がどこからもたらされているか?は重要です。
売上の大半が親会社経由の場合、親会社の下請けとして仕事を受けるため、上下関係を感じやすいと思います。
一方、親会社外の売上比率が高い会社は、仕事上は親会社の影響が少なく独立系のように働ける場合もあります。
私が新卒で入った会社は、9割方親会社経由の仕事でした。商流は、
- クライアント ⇒ 親会社 ⇒ 自分のいる会社
のため、親会社、その先にいるクライアントの意向に振り回されます。
提案する際も親会社の承認を取ってからクライアントに持って行き、クライアントから修正の依頼があれば、また親会社に承認を取り・・と二重クライアントで地獄でした。
コストセンターである
グループの売上に貢献している会社かどうかを見極めましょう。
親会社にとって単なる作業の委託先であったり、コストダウンするために委託している子会社は避けましょう。
そのような子会社は、グループ内でのポジションが低く、上下関係、収入面の影響を受ける可能性が高いです。
私がいた子会社は調査・分析の専門子会社だったのでまだマシでしたが、グループ会社の中には、親会社の単純作業のアウトソース先の会社も複数ありました。
専門性が無い
専門性が分からない企業、専門スキルの身に付かない子会社は避けた方が無難です。
専門性が無ければ親会社と対等な関係を築くことが難しいからです。
例えば以下のような企業は子会社でもグループ内のポジションが高く、親会社同等に扱われるケースも多いです。
- シンクタンク部門
- コンサル部門
- 新規事業部門
特に職種として専門性が高い場合、親会社から使われる立場でなく、パートナーとして協業するといったスタンスで仕事をすることができます。
また、専門スキルが身につく環境であれば、嫌になればいつでも転職できます。私もブラックな環境を承知の上で分析スキルを身につけることを目標に入社しました。
大企業子会社の内情を把握する方法
私も入社前に苦労しましたが、子会社は情報が少なく、内情を理解することは難しいです。
それではどうすれば見分けることができるでしょうか?
私は以下の方法で探ります。
現役社員・OBに確認する
直接的に利害関係のない現役社員・OBから内情を聞くのが最も理想です。
以下の優先順で知り合いがいないか探してみましょう。
- 子会社社員・OB
- 親会社社員・OB
- 競合他社社員・OB
該当の子会社関係者と繋がれば理想ですが、親会社、競合他社の関係者でも有益な情報を聞き出せます。
親会社であれば、その子会社のことをどう見ているのか、グループ内でのポジションも聞き出せます。
競合他社でも、業界の繋がりで内情を知っている可能性があります。
現に私も自分がいた業界であれば、競合他社も含めてある程度内情を話すことができます。
知り合いが見つからない場合は、SNSで探して、直接DMするのも手です。
- Linkdin
私はTwitterをメインで使っていますが、月に数件は学生から相談があります。
プロフィールで企業名は明かしていませんが、ピンポイントで前職について質問されたこともあります。
以下の業界に興味がある方がいましたら気軽にDMください。
- 事業会社マーケティング
- 広告代理店
- マーケティングリサーチ会社
口コミサイトで確認する
口コミサイトは、ネガティブな情報の理解にうってつけなので必ず使いましょう。
転職を検討する際に、無料で企業の口コミを閲覧するために現職の口コミを投稿するケースが多く、退職者、または退職を検討している方のリアルな声が聞けます。
有名なサービスとしては、以下の2点です。
項目はいくつかありますが、個人的には以下を参考にします。
- 入社理由と入社後のギャップ
- 退職検討理由
- 経営者への提言
企業採用ページ・転職エージェントの情報は注意
採用ページや転職エージェントの情報は、話半分に聞くことをおすすめします。
採用ページは、まさにインスタみたいな世界で、候補者が魅力に感じるように盛り盛りにされています。私が辞めた子会社の採用ページは詐欺レベルに盛ってます。
転職エージェントは、基本的にその求人を売り込むことが仕事なので、ネガティブ情報は必要以上に出さないと考えた方が無難です。
当然企業や候補者から情報を得られるポジションなので情報収集先としても活用すべきですが、ネガティブ情報の収集には向かないと思います。
まとめ
大手企業の子会社は避けるのが基本路線
子会社を避けるべき理由は以下。
- 幹部は親会社から出向
- 親会社との明確な上下関係
- 親会社と異なる待遇・福利厚生
- 自己肯定感低下
以下に該当する子会社は特に注意
- 売上の大半が親会社経由
- コストセンターである
- 専門職でない
入社は情報収集して不安は払拭できてからにすること
① 直接利害関係のない関係者に聞く
- その会社の社員・OBを探す
- 親会社の社員・OBを探す
- 競合他社の社員・OBを探す
② 口コミサイトの情報
最後に、情報収集が出来ずに不安を払拭できないなら勇気ある撤退をおすすめします。